体重が落ちはじめたときの、見方
食べていないから減るのと、食べているのに減るのは、まったく別の話です。
シニアになってから体重が減りはじめると、心配になります。
そして診察室では、「食べていますか」と必ず聞かれます。この答えで、話がまったく別の方向に進みます。
2つの形がある
- 食べていないから、減っている
- 食べているのに、減っている
後者のほうが、伝える価値が高いとされています。単純に「食べる量が減った」で説明できない変化だからです。
だから、体重と食べ具合は、セットで持っていないと意味が半分になります。
速さで見る
減ったかどうかより、どのくらいの期間で減ったかを見てください。
- 1年かけて200グラム
- 2週間で200グラム
同じ数字でも、後者は急ぎます。
そして、割合で考えてください。4キロの子の200グラムは5パーセントです。60キロの人なら3キロ減ったのと同じです。
一般に、数週間から数か月で体重の5〜10パーセントが減っているなら、相談する材料になります。
一緒に見るもの
体重だけで判断しないでください。組み合わせで意味が変わります。
- 水をよく飲むようになった
- おしっこの回数や量が増えた
- 食べているのに減っている
- 元気がない、寝てばかり
- 下痢や嘔吐がある
とくに「食べている + 水を飲む + 痩せる」の組み合わせは、伝える価値があります。単独では見過ごされやすく、そろうと意味を持ちます。
筋肉が落ちているだけのこともある
シニアでは、体重が変わっていないのに体つきが変わることがあります。筋肉が減って、脂肪が増えると、数字は動きません。
これを見るには、さわるしかありません。
- 肋骨:軽くなでて、一本ずつ分かるか
- 後ろ足のもも:細くなっていないか、左右差はないか
- 腰の骨が、以前より当たるようになっていないか
後ろ足のももは、シニアでいちばん早く細くなる場所です。そして片側だけ細いときは、そちらをかばっている可能性があります。
測り方をそろえる
比べるには、条件をそろえる必要があります。
- 同じ体重計、同じ人、同じ抱き方
- ごはんの前、排泄のあと
- 日にちを決める(うちは毎月1日)
シニアなら、月1回を2週間に1回にしてもいい。変化の速さが上がる時期だからです。
落ちてきたときに、家でできること
原因の手当ては病院の仕事ですが、食べやすくする工夫は家でできます。
- ぬるま湯でふやかす。においが立ちます
- 回数を増やして、1回を少なく
- 食器を高くする。首を下げる姿勢が負担なことがあります
- シニア用に切り替える判断は、年齢ではなく状態で
そして、体重を増やそうとして、勝手に高カロリーのものを足さないでください。腎臓や肝臓に配慮が要る状態だと、逆効果になることがあります。先に相談してください。
グラフにしてから、話す
最後に、記録の話を。
「最近痩せてきた気がします」と「去年の10月は4.2キロ、今年の3月は3.6キロです」。
後者は、その場で検査の話になります。そして前者は、たいてい「様子を見ましょう」で終わります。
月に一度の数字が、半年後に折れ線になります。それが、いちばん強い材料です。
ⓘ 一般的な情報の提供であり、診断や治療の助言ではありません。気になる症状があるときは、記録を持ってかかりつけの獣医師にご相談ください。
Wandary は体重の推移をグラフにし、ごはんの食べ具合も並べて持てます。2つを重ねて見ると、どちらの形なのかがはっきりします。