歯が悪くなると、ごはんが変わる
「食欲が落ちた」に見えて、口が痛いだけのことがあります。ここを取り違えると、探す方向がずれます。
うちの3匹目が、完食しているのに口を悪くしていたことがあります。
量は減っていませんでした。だから気づかなかった。ただ、食べるのに時間がかかるようになっていて、ぽろぽろこぼすようになっていた。
それを「歳だからゆっくり食べるようになったんだな」と解釈していました。実際は、噛むと痛かった。
「食欲が落ちた」の中身
シニアで食べなくなったとき、頭に浮かぶのは内臓のことだと思います。でも、口が痛いだけということが、実際にあります。
見分ける手がかりは、食欲があるかどうかです。
- 寄ってくる、においは嗅ぐ、でも食べない
- 一度くわえて、落とす
- 片側だけで噛んでいる
- 柔らかいものは食べる、硬いものは残す
- 食べるのに時間がかかる、こぼす
- 食器の前で、食べたそうにしている
「食べたそうなのに食べない」は、食欲がないのとは別の話です。
月に一度、口を見る
毎日でなくて構いません。月に一度、明るいところで、唇をめくって見る。
- 歯ぐきの色(健康なときはピンク)
- 赤く腫れている、出血している
- 歯石(茶色〜黄色のかたまり。奥歯の外側に付きやすい)
- ぐらついている歯
- においが変わった
においは、いちばん早く出るサインのひとつです。「犬の口はくさいもの」と思っていると、見逃します。
顔の腫れは、歯から来ることがある
意外に思われるかもしれませんが、目の下が腫れる、頬が腫れるというときに、歯の根が原因になっていることがあります。
皮膚の問題だと思って様子を見ているうちに、悪くなることがあります。腫れが出たら、口の中も一緒に見てもらってください。
ごはんを、食べやすくする
痛みの治療は病院の仕事ですが、食べやすくする工夫は家でできます。
- ぬるま湯でふやかす。においも立って、食いつきが変わります
- 粒の小さいフードに替える
- ウェットフードを混ぜる
- 食器を高くする。シニアは首を下げる姿勢が負担になることがあります
食器の高さは、意外と効きます。うちは少し高くしただけで、食べ方が変わりました。
歯みがきは、いま始めるのがいちばん早い
シニアだから遅い、ということはありません。ただし、痛みがあるなら先に診てもらってください。痛い口を触られると、歯みがきそのものが嫌いになります。
進め方は、段階を飛ばさないことです。
- 口のまわりを触るだけ
- 歯ぐきに指で触れる
- ガーゼで拭く
- 歯ブラシ
1日で進めない。うちは1匹目で焦って、完全に嫌われました。4匹目は3か月かけて、いまも毎晩やらせてくれます。
全部の歯をやらなくていい。奥歯の外側だけでも、やらないよりずっといい。
麻酔を伴う処置になったとき
歯石の除去や抜歯には、麻酔が必要です。シニアだと、ここで迷います。
- 年齢そのものより、いまの体の状態が見られます
- 術前検査(血液、レントゲン、心臓)で判断します
- 心配なことは、遠慮せず聞いてください
「高齢だから無理」と自分で決める前に、一度相談してください。口の痛みを抱えたままのほうが、体にこたえることがあります。
食べ方の変化を、一行残す
量は記録されても、食べ方は記録されません。
「こぼすようになった」「時間がかかる」「片側で噛んでいる」
この一行が並ぶと、いつから変わったかが分かります。そして診察室で、「食欲が落ちました」ではなく、何が起きているかを伝えられます。
ⓘ 一般的な情報の提供であり、診断や治療の助言ではありません。気になる症状があるときは、記録を持ってかかりつけの獣医師にご相談ください。
Wandary はごはんの記録にメモを添えられます。「こぼすようになった」「時間がかかる」の一行が並ぶと、いつから変わったかがそのまま見えます。