においの変化は、記録しにくいぶん見落とされます
写真にも数字にもならない情報です。だから、気づいた日に一言だけ残しておく価値があります。
体重は数字で残ります。しこりは写真で残ります。歩き方は動画で残ります。
においだけは、何にも残りません。
だから、いちばん見落とされます。そして毎日嗅いでいると、慣れて分からなくなります。
口のにおいは、当たり前ではない
「犬の口はくさいもの」と思われがちですが、健康な子の口は、そこまで強くにおいません。
そして口のにおいは、そのほとんどが歯と歯ぐきの状態から来ていると言われます。年齢のせいではなく、状態のせいです。
うちの3匹目は、においで気づいて診てもらったら、奥歯がかなり悪くなっていました。それまで「歳だからかな」と思っていました。
口の中を、月に一度だけ見る
毎日でなくて構いません。月に一度、明るいところで、唇をめくって見る。
- 歯ぐきの色:健康なときはピンク。赤い、腫れている、出血している
- 歯石:茶色〜黄色のかたまり。奥歯の外側に付きやすい
- ぐらつき
- 片側だけで噛んでいないか
片側で噛む、ぽろぽろこぼす、食べるのに時間がかかる。これは「食欲が落ちた」に見えて、実は口が痛いことがあります。ここを取り違えると、まったく違う方向を探すことになります。
口以外のにおい
においが出る場所は、口だけではありません。
- 耳:甘酸っぱい、脂っぽい。頭を振る、こするとセットで
- 皮膚:脂っぽい、酸っぱい。べたつき・フケとセットで
- 足の指のあいだ:舐め続けているとにおいます
- おしり周り:肛門腺、あるいは便の付着
- 息そのもの:口の中がきれいなのに、息がにおう
耳と皮膚のにおいは、かゆみより先に出ることがあります。「くさいな」と思ったら、それは早い段階のサインかもしれません。
伝え方
診察室では、こう聞かれます。
- いつから
- どこから(口、耳、体、足)
- どんなにおいか(酸っぱい、甘い、脂っぽい、生ぐさい)
- ほかに変わったことはあるか
「どんなにおいか」は表現しづらいのですが、思いついた言葉でそのまま伝えて大丈夫です。正確な言葉より、いつからかのほうが大事です。
家族に聞くのがいちばん早い
慣れてしまった鼻では分かりません。たまに会う家族や友人のほうが、正確に気づきます。
「そういえば最近、においが変わった気がする」と言われたら、それは真に受ける価値のある情報です。
歯みがきは、いま始めるのがいちばん早い
歯のことを書いておいて、対策に触れないのも無責任なので。
歯みがきは、続けられる形まで下げてください。
- 最初は口のまわりを触るだけ
- 次に歯ぐきに指で触れる
- 次にガーゼで拭く
- 最後に歯ブラシ
1日で進めないこと。うちは1匹目で焦って、完全に嫌われました。4匹目は3か月かけて、いまも毎晩やらせてくれます。
全部の歯をやらなくていい。奥歯の外側だけでも、やらないよりずっといい。
一言でいい
においは、書かないと消えます。
「口のにおいが変わった気がする」「耳がくさい」
この一行が、3か月後に「いつからでしたっけ」への答えになります。
ⓘ 一般的な情報の提供であり、診断や治療の助言ではありません。気になる症状があるときは、記録を持ってかかりつけの獣医師にご相談ください。
Wandary はひとこと日記に一行だけ残せます。写真にも数字にもならない情報は、書いておくしかありません。あとから並べると、いつからだったかが分かります。