Wandary
シニア

介護期の記録は、家族のためでもある

犬のために書いているつもりが、途中から自分を支えるものになります。

介護が始まると、記録の意味が変わります。

それまではその子の健康のために書いていたものが、途中から自分と家族のためのものになっていきます。

感覚が、あてにならなくなる

これが最初に起きることです。

夜に起こされ続け、片付けが増え、通院が増える。その状態が続くと、判断が狂います。

事実が分かるだけで、少し呼吸ができます。

そして逆に、本当に悪くなっているときも、記録があれば分かります。感覚では「いつもと同じ」に見えても、数字は動いています。

家族に、状況が伝わる

介護は、特定の一人に寄ります。そして、その人がいちばん疲れています。

世話をしていない家族には、状況が見えていません。「そんなに大変なの?」と言われて、余計につらくなることがあります。

記録を見せると、それが一度で終わります。

「今月、夜中に起こされた回数は18回」「1日に5回、粗相の片付けをしている」

数字は、説明よりずっと強い。そして、交代を頼む根拠にもなります。

診察が、変わる

介護期の通院は、変化を伝える場になります。

「なんとなく悪くなっています」では、先生も動けません。

「2週間前から、夜中に起きる回数が2回から4回に増えました。食事は半分残す日が週3回。体重は先月から200グラム減っています」

ここまで言えると、その場で手が打てます。薬を変える、検査をする、家での工夫を提案してもらう。

判断の材料になる

これは書くのがつらい話ですが、避けられないので書きます。

介護が進むと、いくつかの判断を求められる場面が来ます。治療をどこまでやるか。入院させるかどうか。

そのとき、感覚だけで決めるのは、とても苦しい。

記録があると、「いま、どういう状態なのか」を落ち着いて見られます。

決めるのは相変わらずつらいことですが、根拠があるかないかで、あとの受け止め方が変わります。

一行でいい

介護期は、忙しく、そして疲れています。詳しく書く余裕はありません。

一行で十分です。

「今日はよく寝ていた」「夜2回」「半分食べた」「久しぶりに自分で立った」

いいことも書いてください。悪いことばかり並ぶ記録は、読み返すのがつらくなります。

いい日を、書いておく

これは実感として、いちばん大事かもしれません。

介護の記録は、放っておくと「できなくなったこと」ばかりになります。

でも、いい日は必ずあります。食べた日、立てた日、しっぽを振った日、よく眠れた日。

それを書いておくと、あとから読み返したときに、その子の最後の時間が「つらかった日々」だけにならずに済みます。

見送ったあと、消さないでください

最後に、これだけ。

記録を消してしまう人がいます。見るのがつらいから、という理由がほとんどです。

でも、消したものは戻りません。

うちも1匹目を見送ったあと、しばらく写真すら見られませんでした。それでも何年か経つと、見られるようになります。そのときに残っていてよかった、と本当に思いました。

見られるようになるまで、しまっておけばいい。

体重のグラフも、夜鳴きの回数も、「今日はよく寝ていた」の一行も。あとから見ると、全部その子がそこにいた証拠です。

ⓘ 一般的な情報の提供であり、診断や治療の助言ではありません。気になる症状があるときは、記録を持ってかかりつけの獣医師にご相談ください。

文 · Wandary編集部 チワワと20年、4匹と暮らしてきました。獣医師ではありません。このページは飼い主としての経験と、一般に知られている情報をもとに書いています。
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