吠えるのをやめさせる前に、何に吠えているかを見る
理由が違えば、効く方法も違います。同じ「吠える」でも、まったく別の話です。
吠えることの相談で、いちばん多い失敗は、理由を見ないまま止めようとすることだと思います。
理由が違えば、効く方法がまったく違います。そして間違った方法は、たいてい悪化させます。
まず、いつ・何に吠えているかを書く
3日で足ります。
- 何時ごろか
- 何があったか(インターホン、人が通った、飼い主が席を立った、など)
- どのくらい続いたか
- そのとき、家に誰がいたか
これを並べると、たいていパターンが見えます。
「一日中吠えている」と思っていたのに、実は16時台に集中していた(下校時間に子どもが通る)ということが分かったりします。
理由は、だいたい5つに分かれる
① 要求
かまってほしい、ごはん、外に出たい。人が反応すると強化されます。
→ 吠えているあいだは、反応しない。目も合わせない。静かになった瞬間に応じる。
中途半端に我慢して、最後に折れるのがいちばん悪い。「長く吠えれば通る」と教えることになります。
② 警戒
インターホン、外の物音、通行人。縄張りを守ろうとしています。
→ 視界と音を切る。窓から外が見えないようにする、玄関から遠い場所で過ごさせる。→ 吠えたあとに別の行動に誘導する(おもちゃ、マットに行く)
「うるさい」と叱ると、いっしょに吠えていると受け取られることがあります。
③ 不安
飼い主がいない、留守番、雷や花火。
→ 叱っても悪化します。不安が原因だからです。→ 出かける準備を無意味にする、安心できる場所を作る→ ひどいときは、相談してください。薬という選択肢があります
④ 退屈
運動と刺激が足りない。
→ 散歩の時間と質、知育おもちゃ、においを嗅ぐ時間
⑤ 痛み・体の理由
これが見落とされます。
→ 急に吠えるようになったなら、疑う価値があります→ シニアでは、認知の変化で意味なく鳴くことがあります→ 耳が聞こえにくくなって、自分の声の大きさが分からないこともあります
「急に増えた」は、別の話
いちばん伝えたいのはここです。
ずっと吠える子と、急に吠えるようになった子は、まったく違う相談になります。
急に増えたなら、
- どこかが痛い
- 目や耳が悪くなってきた
- 環境が変わった(引っ越し、家族、近所の工事)
- 認知の変化
「いつから増えたか」は、記録がないと言えません。
叱ることの副作用
- 注目されていると受け取られ、強化されることがある
- 不安が原因の場合、悪化する
- 飼い主との関係が悪くなる
- 吠える前の「唸る」を先に消してしまうことがある
最後のものは、知っておく価値があります。唸るのは、噛む前の警告です。そこを叱って消すと、警告なしで噛むようになることがあります。
近所への対応も、現実的に
吠え声は、思っているより外に響きます。
- 早めに、一言伝えておく
- 窓を閉める、厚いカーテン
- 吠えやすい時間帯に、その場所を使わない
「対策している」と知られているだけで、受け止め方が変わります。
記録は、相談の材料になる
しつけの相談でも、病院でも、同じことを聞かれます。
「いつ、何に、どのくらい吠えますか」
「よく吠えます」と、「平日の15〜17時に、子どもの声で、5分ほど。休日はほとんど吠えません」では、返ってくる答えが違います。
3日書くだけで、ここまで言えるようになります。
ⓘ 一般的な情報の提供であり、診断や治療の助言ではありません。気になる症状があるときは、記録を持ってかかりつけの獣医師にご相談ください。
Wandary はひとこと日記に「16時、インターホンに吠えた」と残せます。数日並べると、時間帯なのか、対象なのかが見えてきます。