「いつもと違う」は、その日のうちに一言だけ
写真にも数字にもならない気づきがあります。書かなければ、3日で消えます。
体重は数字で残ります。しこりは写真で残ります。歩き方は動画で残ります。
でも、いちばん多い気づきは、そのどれでもありません。
「なんとなく元気がない」「いつもの場所で寝ない」「呼んでも来なかった」
これらは、書かないと消えます。そして3日もすれば、本当に消えます。
記憶は、平穏な日を消す
人の記憶は、印象に残ったことだけを残して、それ以外をきれいに消します。
だから「先月の火曜、咳をしたかどうか」は、誰も思い出せません。思い出せるのは、よほど心配した日だけです。
そして診察室では、その思い出せない部分を聞かれます。
一行で足ります
長く書く必要はありません。むしろ長く書こうとすると続きません。
「今日は散歩を途中で帰りたがった」「ごはんの前に吐いた」「耳を気にしている」「いつもより寝ている」
この程度で十分です。大事なのは、日付がついていることだけです。
事実を書く。解釈は書かない
これが唯一のコツです。
- ❌「疲れているみたい」
- ⭕「散歩の後半で立ち止まった」
- ❌「お腹の調子が悪そう」
- ⭕「朝、ゆるいうんちが1回」
解釈を書くと、あとで読み返したときに、事実が分からなくなります。そして解釈は、そのときの自分の不安に引っ張られます。
先生が知りたいのは、あなたが見たものです。どう思ったかは、そのあとで構いません。
書く時刻を決めておく
いつ書くか決めておかないと、書きません。
うちは寝る前、水を替えるときにしています。1日を振り返る時間が自然にあるからです。
「何もなかったな」と思ったら、書かなくていい。その判断自体が、一度立ち止まったということなので、意味があります。
数週間並ぶと、形が見える
一行ずつの記録は、単独ではほとんど価値がありません。
でも、数週間ぶん並ぶと、形になります。
- 「耳を気にしている」が、週に1回から毎日に増えている
- 「途中で帰りたがる」が、寒い日に集中している
- 「吐いた」が、フードを替えた週から始まっている
この読み方は、一行ずつ日付つきで残っているときにしかできません。
診察室で、そのまま読める
いちばん効くのがここです。
「最近、耳を気にしているんです」と言うと、「いつからですか」と返ってきます。
その場で画面を見せれば終わりです。10月の第2週から週1回、11月から毎日。記憶をたどる時間が、丸ごと消えます。
「何もなかった」も、たまに書く
余裕があるときだけで構いませんが、「今日は何もなかった」もたまに書いておくと効きます。
空白は、「何もなかった」のか「書けなかった」のか区別がつきません。書いてあれば、そこは確実に何もなかった日です。
異変を伝えるには、その前が普通だった証拠が要ります。
責めるためのものではない
最後にひとつ。
書けない日があっても、それは失敗ではありません。書けた日の一行は、そのまま残ります。
記録は、自分を監視するためのものではなく、半年後の自分に渡すメモです。渡せるものが少しでもあれば、それで十分です。
ⓘ 一般的な情報の提供であり、診断や治療の助言ではありません。気になる症状があるときは、記録を持ってかかりつけの獣医師にご相談ください。
Wandary はひとこと日記に一行だけ残せます。あとから日付順に並ぶので、「いつからでしたっけ」に記憶ではなく記録で答えられます。